~プロローグ~
私はメイ・マイヤーズ・キッチンの常連でもあり、詩の朗読者でもあり、ホーミーの使い手でもありますが、ミステリーやクイズといった謎解きが好きでMMKのプランナーをしています。そして、ミステリー小説の執筆も。名前は……メイ・マイヤーズ・キッチンでは、『ギムレット池上』と呼ばれています。
以前に大阪の小さなバーで、短いオリジナルのミステリー小説を持ち寄り推理し合う『推理合戦バー』というイベントがあり、そこで披露する短編ミステリーを書き続けてきました。出題される小説は問題編と解決編に分かれており、読んで考えて解答するまでに1篇約45分の難易度、1回のイベントに3問ほどの出題する形式です。
『推理合戦バー』では、毎回定められたテーマに沿ったミステリーを持ち込まなければなりませんでした。テーマは前回の終了時点で、参加者の1人が適当に言い、それが無条件で次回のテーマに設定されます。過去のテーマには「意外な犯人」「足跡のない殺人」といったミステリー然としたものもあれば、「伊勢神宮」「仙台」「藁人形」「注射器」といった単語や、「少々遅れています」「人はいつサルになったのか」のようなセリフ調のものもありました。無茶振りのテーマに対し、決して嫌がらず、めげることなく、なんとか推理できる作品を作り続けました。正直、テーマがあったからこそ、考えるのが面白くなるような一風変わった作品が多く生まれたと思います。
『推理合戦バー』は16年以上の歴史あるイベントでしたが、2020年3月に第99回の開催後、バーが廃業となりました。つい先日、そういえばどのくらい書いたのだろうと原稿を引っ張り出してみたのですが、驚いたことに100篇以上にもなっていました。欠席した回もあったのですが、2編を携えて参加した回も多かったのでそんな作品数になっていたようです。
この場をお借りして、100篇の中から選りすぐりの問題を順々に「ミステリーバーメニュー」として紹介していきたいと思います。笑い声と冗談が飛び交う愉快なバーで提供していた作品たちです。是非、お酒を片手に楽しんでいただけたなら嬉しいです。
追伸:各作品のテーマも添えておきます。対応度合いにも、ご注目ください。
1話ごとに事件編・解決編がセットになっています。
各タイトルをクリックすると、販売ページ(イーピンショップ)に移動します。